ナムツォ湖｜チベット高原の神聖な湖

ナムツォ（納木措）は、チベット語で「天の湖」を意味し、中国で3番目に大きな塩湖であり、世界で最も標高の高い塩湖でもあります。チベットの「三大聖湖」の一つで、神聖な念青唐古拉山と寄り添うように位置しています。チベットの古い神話によると、ナムツォと念青唐古拉山は、生涯を共にする恋人同士とされ、そのロマンチックな物語は今も語り継がれています。
湖はその多彩な色で有名で、深い青からエメラルドグリーンへと変化し、大自然が描いたキャンバスのようです。夜になると、湖面に星空が映り込み、幻想的で神秘的な風景が広がります。
ナムツォ周辺は生態系も豊かで、世界最大のクロヅルの群れをはじめ、チベットカモシカやユキヒョウなどの希少動物が生息しています。有名な「聖象天門」はチベット北部でも特に印象的な自然のアーチで、夕日に照らされると巨大な象のように見え、この神秘の地を守る守護神のようです。
また、遊牧民と一緒に放牧や水汲みを体験したり、湖畔でのキャンプを楽しんだりすることもできます。晴天のナムツォは息をのむほど美しく、カメラでは収まりきらないほどです。気温は快適で、上着があれば十分ですが、紫外線が非常に強いため、日焼け対策は必須です。

チベットにあるナムツォ湖（Namtso Lake）は、チベット語で「天の湖」を意味します。これは古第三紀と新第三紀のヒマラヤ造山運動によって形成された断陷構造湖で、その後氷河活動にも影響を受けました。湖水は主にニェンチェン・タンラ山脈などの雪山の融水によって補われています。
世界で最も高い標高を誇る湖であり、中国で3番目に大きく、チベット自治区では2番目に大きい塩湖でもあります。チベット自治区の当雄県と班戈県にまたがり、標高は4,718メートルです。湖の東西の長さは78.6kmで、南北最大幅は50km、平均幅は24.4kmです。2015年の測定によれば、湖面積は2,020平方キロメートル、水深は最深部で95メートルを超え、貯水量は約870億立方メートルに達します。

ナムツォ湖（Namtso）はチベットの「三大聖湖」の中でも最も神聖な湖とされ、古象雄（チャン・ゾン）族のボン教において第一の神聖な湖とされています。ボン教の経典には「ナムツォには72の聖地がある」と記されています。その後、チベット仏教の著名な聖域の一つにもなりました。
このチベット人の心の聖湖には、チベット本土だけでなく、青海省、四川省、甘粛省、雲南省からも毎年多くの信者が長い旅路を経て巡礼に訪れ、湖を回って魂の昇華を求めます。世界最高所に位置する湖として、現代文明の汚染から離れた自然の原生態を保ち、巡礼者にとって真の聖地となっています。

12世紀末、チベット仏教ダロンカギュ派の開祖であるダロン・タンパ・タシペルは、チベット暦の「羊年」にナムツォ湖を巡礼する伝統「湖巡り（コルラ）」を始めました。それ以降、羊年になるたびに、数多くの僧侶や信者たちが遠方から厳しい旅路を経てナムツォへと巡礼に訪れます。
この巡礼儀式はチベット暦4月15日に最高潮を迎え、湖畔には祈りと功徳の象徴であるマニ石（マニ堆）が数多く積まれ、荘厳な雰囲気に包まれます。

「水は天に届き、海のように広がる。ひとたび想えば、青き山も白髪に染まる。」
古くからのチベットの伝説によると、ナムツォ湖と念青唐古拉山は、永遠に寄り添う恋人同士とされています。
湖畔にある「三生石」は、湖を挟んで念青唐古拉山を静かに見つめており、過去・現在・未来の三つの人生をつなぐ聖なるシンボルとされています。ここでは、前世・今世・来世を感じることができるとも言われています。
ナムツォは、ただ美しいだけでなく、ロマンと精神性に満ちた神秘的な場所でもあります。

神秘に満ちたチベットの大地に、ナムツォはまるで青い宝石のように輝き、広大な高原にそっと抱かれています。その魅力は多くの旅人を惹きつけ、神秘と美しさを求めて人々が訪れます。

ナムツォは、その壮大な自然景観だけでなく、周辺に広がる豊かな生態系でも知られています。湖と草原は多くの野生動植物にとって理想的な生息地となっており、この地域はチベット高原における生物多様性の宝庫です。
渡り鳥が羽を休め、魚たちは澄んだ湖水を泳ぎ回り、野生のオオカミやキツネが草原を駆け巡る――こうした光景が生き生きとした生態系を形作っています。

総じて言えば、ナムツォは美しく神秘的な場所であり、その壮麗な自然と宗教文化は多くの観光客を魅了しています。チベットを訪れる機会があれば、ぜひナムツォに足を運んでみてください。絶対に後悔しないおすすめスポットです！